少し前ですが、認知症予防学会に行ってきました。
他職種の方が参加されていて、
認知症予防に対する意識の高さ
を感じることが出来ました。
日本の人口は約1億2000万人ですが、先進国の中でも高齢化率が高く、
65歳以上の方が1985年の10%から年々上昇して2024年現在29.3%です。
日本人の4人に1人以上は65歳
ということになります。
ただ昔と違い、今は65歳に高齢者というのは申し訳ない程、
元気な方が増えているのも事実です。
以前院長のコラムにも見た目と健康寿命のお話がありましたが、
私が専門とする
認知症はこの健康寿命を脅かす大きな要因の一つ
でもあります。
今回の認知症予防学会のスローガンは
「人として輝き続ける社会の実現を目指して」
でした。
日々診療をしていると認知症ではない高齢者の方々も
「こんな年取っちゃって」
「ボケちゃったかも」
「今までのように、さっと動けない」
「疲れやすい」
「若い人の邪魔にならないように」
などととおっしゃる方々が多いです。
また、認知症になると今までできていた趣味や家事がうまくできなくなります。
初期の認知症の方は自分でも
「何となくうまくいかない」
「話についていけなかったら恥ずかしい」など
漠然とした不安感(病感)をお持ちです。
そのため
- 他者と関わることを避け引きこもる
- 機械(炊飯器や洗濯機などの家電)の使い方がわからない
- 家事の失敗(皿洗いが不十分、洗濯物を生乾きで取り込むなど)
失敗が増えます。
特に家事の失敗は家族にとって二度手間になるので、
「あー!だからやらないでっていったでしょ!!
私がやるから触らないで!!」
となってしまいます。
このように言われてしまうと認知症の方は、
自分の存在意義を見失ってしまい、自室に引きこもってしまう。
もしくは言われたことを忘れてしまい、
今までしてきたルーチンなので
「家族は仕事に出てて忙しいから私がやってあげないと」と
次の日も同じように家事をして失敗して怒られると繰り返します。
子育ての時の見守りはできないところからできるようになる過程なので
上手にできなくても親は
暖かく見守ることができます。
しかし認知症の見守りは
今まで出来ていたことを失敗するようになるので
相手はこの事実をなかなか受け止められません。
また
認知症の初期は
しっかりしている時とおかしなことをする時
と症状にムラがあるので、
少し注意すればしっかりするのでは、と
家族も期待してしまうのです。
しかし、認知症になりかけている本人は
何がダメなのか理解できないない
自分が大切に育ててきた子供から強く言われる
などから
ショックも大きく、反発もします。
私の考える認知症診療は、
まだまだ治すことができない現状、
早い段階から家族や周りの方にも認知症を理解してもらい、
認知症があっても
人として楽しく健康に生き生きとした生活できる
手助けをすることだと思っています。
実際に家族が認知症を受け入れて、明るく接することができている家庭は、
本人も明るく元気なことが多いです。
以前のコラムでも書きましたが、私も認知症患者の家族側でしたので、
本当にこの認知症を受け入れることは綺麗事ではなく、
とても難しいことだとはわかっています。
でもこの対応ができなかった今、
後悔は残っています。
いくら認知症があってもその時その時の楽しい気持ち、
辛い気持ちは同じように味わっています。
辛い思いをして生きるよりは、楽しく人として輝くことが大事です。
そしてこれを家族だけで成し遂げようとしても到底できません。
今年の認知症予防学会のスローガン「人として輝き続ける社会の実現を目指して」に戻りますが、
このような社会になることを切に望みますし、
認知症専門医として
どのようにこの社会を作るかは
課題だと思っています。
最後に余談ですが、この学会で
認知症予防ができる可能性がある
冬虫夏草のサプリメント
に出会いました。
冬虫夏草は古来中国では薬膳料理などに用いられ、薬や不老長寿、滋養強壮などで重宝されていたようです。
たまたまこれらを摂取している地方の方が高齢になっても元気な方が多いことに目をつけた研究者が調べると、
ナトリードという成分が発見され、
これが認知機能改善効果があるようだということまでわかったようです。
この冬虫夏草はそのほか
睡眠の質向上や男性ホルモン上昇などの作用
もあるようです。
私も院長も現在お試し中です。
冬虫夏草についてはまた次の機会にお伝えしますね。
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