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形成外科(保険診療)

きず(切り傷、擦り傷、噛まれた傷 など)

切り傷(切創):包丁やガラスなどの鋭利な物で出来た傷

擦り傷(擦過傷):擦りむいて出来た傷

噛まれた傷(動物咬傷):イヌやネコなどに咬まれて出来た傷

など

対処方法

①水道水で汚れを洗い流しましょう。

②傷口をきれいなガーゼやタオル、キッチンペーパーで軽く押さえましょう。ティシュペーパーはくっつきやすいので、避けて下さい。

③傷口が手や指の場合は、心臓より高い位置に保ちましょう。出血量を減らすことが出来ます。

④形成外科に連絡し、受診しましょう。傷の程度により、縫合やテープ固定、被覆材貼付、軟膏処置などの処置や処方を行います。

日本創傷外科学会のホームページで、キズの種類や治療法を専門医が解説しています。詳しくは、下のボタンをclickして下さい。

やけど(熱傷)

火や熱湯、熱した油などの高温物質や低温物質、化学物質が皮膚に付着して生じる皮膚障害です。

やけどの深さは大きくⅠ度、Ⅱ度、Ⅲ度の3段階に分けられます。

Ⅰ度は表皮までの熱傷です。ヒリヒリした感覚や赤みは1-2日で落ち着きます。

Ⅱ度は真皮までの熱傷です。水膨れが出来た状態です。深さによっ浅達性Ⅱ度熱傷と深達性Ⅱ度熱傷に分けられます。

Ⅲ度は皮膚を越えて皮下組織まで及んだ熱傷です。皮膚に血流がなくなり蠟のように白い場合と、皮膚が焼けて炭のように黒い場合があります。

対処方法

①水道水で15分以上流し、冷やしましょう。洋服などが張り付いている場合は、洋服の上から流水で冷やして下さい。無理に剥がすと、皮膚も剥がれます。

②やけどの上から、保冷剤やビニール袋に入れた氷水で軽く冷やし続けて下さい。初期のアイシングが、大変重要です。冷やさなかった場合、やけどの深さが進むことがあります。

③形成外科に連絡し、受診しましょう。軟膏処置や被覆材貼付などの処置を行います。

日本形成外科学会のホームページで、ヤケドの種類や治療法を専門医が解説しています。詳しくは、下のボタンをclickして下さい。

きずあと(ケロイド、肥厚性瘢痕 など)

幅が広くなる傷跡は肥厚性瘢痕です。

ケロイドは、傷の幅を越えて大きく盛り上がり、赤みや痒みを伴う場合が多いです。

耳垂(ピアス跡)や肩、前胸部(心臓手術の傷跡やニキビ跡)、恥骨部(帝王切開の傷跡)に出来やすいです。

治療方法は、ステロイドの局所注射やステロイドの貼り薬などを使用します。傷跡の修正を行う事もあります。ただし、再発率が高いです。そのため、手術後に電子線照射が推奨されてます。

日本形成外科学会のホームページで、詳細な説明や治療法を専門医が解説しています。詳しくは、下のボタンをclickして下さい。

皮膚のできもの(ほくろ、いぼ、たこ、うおのめ など)

ほくろ(母斑):黒や茶、皮膚色で平らもしくは膨らんでいる。太い毛が生えている事もあります。治療は、外科的処置を行います。

日本形成外科学会のホームページで、詳細な説明や治療法を専門医が解説しています。詳しくは、下のボタンをclickして下さい。


いぼ(軟性線維腫):首や脇、股などに出来やすいです。洋服に引っかかったりすることが多いです。年齢と共に、増えていくことがあります。治療は、外科的処置を行います。


たこ(胼胝):圧迫や擦れなどを繰り返している部分の角質が肥厚しています。硬いですが、痛みはほとんどないです。治療は、硬い部分を削ります。再発予防に保湿を行います。


うおのめ(鶏眼):足底に出来やすく、肥厚した角質の中心が、棘のように刺さっている状態です。押さえると痛みが出現しやすいです。 治療は、硬い部分を削ります。再発予防に保湿を行います。

皮下のできもの(粉瘤、石灰化上皮腫、脂肪腫 など)

粉瘤(アテローム):皮膚が皮下に入り込んで、袋を形成している状態です。中には垢が溜まっており、押し出すと灰白色の臭い垢が出ます。超音波検査で確認が出来ます。治療は外科手術です。皮膚があるところには、どこでも出来る良性腫瘍です。

毛穴より大きな開口部から細菌感染した場合、赤く腫れて痛みが出てきます(炎症性粉瘤、炎症性アテローム)。その後、表面の皮膚が薄くなり、破れ、膿や垢などの臭い内容物が排出されます。

対処方法

膨らみを発見し、気になるなら形成外科を受診しましょう。外来手術を予定します。

炎症がある場合

  1. 赤く腫れて痛みが伴う場合は、早めに形成外科に受診しましょう。破れる可能性が高いため、ガーゼ保護をオススメします。
  2. 炎症性粉瘤の場合は、局所麻酔で皮膚切開し内容物を出します。その後も内容物や血が排出されるため、縫合は行いません。痛みは急激に治ります。処置後もシャワー浴は可能です。その後の詳しい内容は、処置後にお伝えします。

石灰化上皮腫:粉瘤に比べ硬い内容物(軽石様)を触れます。生まれつき存在していますが、成長と共に徐々に大きくなってきます。子供の上眼瞼(上まぶた)や腕などにできることが多いです。超音波検査で確認が出来ます。良性腫瘍です。

対処方法

膨らみを発見し、気になるなら形成外科を受診しましょう。治療は外来手術です。

※小児の場合は、全身麻酔での手術になるため、大きな病院に紹介となります。


脂肪腫:脂肪の塊です。年単位で徐々に大きくなります。背中や肩などに多いと言われています。通常、押さえても痛みは無く、柔らかい膨らみです。超音波検査で確認が出来ます。治療は外科手術です。

対処方法

膨らみを発見し、気になるなら形成外科を受診しましょう。治療は外来手術です。

※大きな場合は、全身麻酔での手術になるため、大きな病院に紹介となります。

日本形成外科学会のホームページで、腫瘍の種類や治療法を専門医が解説しています。詳しくは、下のボタンをclickして下さい。

まぶたの下がり(眼瞼下垂症、眼瞼皮膚弛緩症 など)

眼瞼下垂症:上まぶたが上げにくい状態です。アゴを上げる事で物が見やすくなったり、まぶたが下がっているため、「眠たいの?」と言われる事があります。まぶたを上るための膜(挙筋腱膜)が伸びたり、外れていたりする事が原因です。額の筋肉(前頭筋)を使ってまぶたを上げようとするため、まゆ毛の位置が高くなり、額のしわが深くなります。頭痛、肩こりの原因の一つと考えられています。治療は外科手術(挙筋前転術)です。挙筋腱膜を短くして固定し直すことで、開瞼しやすくなります。


眼瞼皮膚弛緩症:上まぶたのたるみが原因で、視野が狭くなっている状態です。特に外側の皮膚が弛みやすく、目尻が下がって見えます。治療は外科手術(眉毛下皮膚切除術)です。眉毛の下の余剰な皮膚を切除し、縫合します。目元が軽くなり、数年前の目元に戻ったと言われる方もいます。


※診察時、視野狭窄などの症状がなく、見た目の改善が目的の場合は自由診療(10割負担)になります。

日本形成外科学会のホームページで、詳細な説明や治療法を専門医が解説しています。詳しくは、下のボタンをclickして下さい。

耳介の悩み(耳垂裂、副耳、耳瘻孔 など)

耳垂裂:耳たぶ(耳垂)が裂けている状態です。生まれつき(先天性)と外傷(後天性)があります。そのまま縫ってしまうと、傷跡が凹んでしまいます。そのため、特殊な縫合方法(Z縫合)などを用います。傷跡が無くなることはありませんが、目立ちにくい傷を目指します。


副耳:生まれた時から耳前や頬にある膨らみやイボ状の突起です。軟骨を含んでいる事が多く、触ると軟骨に触れます。軟骨を含んでいない副耳は、糸で根本を縛り(結紮術)、自然脱落を待つ事ができます。軟骨を含んでいる副耳は、軟骨の処理が必要なため外科手術が必要となります。小児の場合は全身麻酔で行います。中高生や大人は局所麻酔で可能です。


耳瘻孔:生まれた時から耳周囲に小さな穴があり、臭い汁が出たり、感染する事があります。その穴から管(または袋状)が連続しており、先端は耳介軟骨に接しています。治療は外科手術になります。小児の場合は全身麻酔で行います。中高生や大人は局所麻酔で可能です。

日本形成外科学会のホームページで、詳細な説明や治療法を専門医が解説しています。詳しくは、下のボタンをclickして下さい。

あざ(太田母斑、異所性蒙古斑、外傷性色素沈着症)

ピコ秒レーザー(Picoway)による治療です

保険適応疾患

・太田母斑:顔に生じる青あざ

・異所性蒙古斑:おしり以外の背中や肩、腰などに生じる生まれつきの青あざ

・外傷性色素沈着症:擦り傷などで砂などの異物が皮膚内に残ってできた刺青

適応疾患治療回数治療間隔
太田母斑回数制限なし3カ月
異所性蒙古斑回数制限なし3カ月
外傷性色素沈着症回数制限なし3カ月

濃さや範囲にもよりますが、複数回の治療が必要になります。

範囲処置料
4㎠未満3割負担で6,000円
4㎠以上16㎠未満3割負担で7,110円
16㎠以上64㎠未満3割負担で8,700円
64㎠以上3割負担で11,850円

上記以外に診察料、処方料などがかかります。

ピコ秒レーザーとは、ピコ秒(1ピコ秒=1兆分の1秒)という短い時間レーザー光を照射する機械です。照射時間が短いため最大出力が大きくなり、色素斑等のメラニンに対して瞬間的にエネルギーを伝えることができ、熱作用がないため、結果的に少ない回数での色調改善が期待されています。またレーザー照射後の副作用(炎症反応や色素沈着)を軽度に抑えることが可能と考えられています。

治療が受けられない方・禁忌

・532nm・1064nmの波長域の光に過敏な方、又は光線過敏症のある方

・ケロイド・瘢痕体質の方・糖尿病などの内分泌疾患に罹患しており、創傷治癒に障害がある方

・免疫抑制を引き起こす疾患、免疫抑制剤使用中の方              

・出血性疾患に罹患、抗凝固薬を内服中の方

・妊娠中、またその可能性がある方

・発熱している・全身状態が芳しくない方

・光過敏性発作・光線過敏症に関連した疾患に罹患・既往のある方

・光過敏症を誘発する薬剤・外用薬・サプリメントを使用中の方

※妊娠・授乳中の方は安全性が確立されていません。医師にご相談ください。

治療を行えない部位

・感染性の皮膚疾患又は、切開創・開放創・炎症・化膿がある

・悪性腫瘍直上・単純ヘルペス1型、2型の活動病変上

・1カ月以内の強い日焼け部位 

麻酔について

・必要時、表面麻酔もしくは局所麻酔で行います。

治療前注意事項

・日焼けをした状態では熱傷を生じるリスクが高くなるため、照射をすることができません。日焼けをしないようSPF30以上の日焼け止めの使用や、長袖・長ズボン等の着用で日焼けを予防してください。※日焼けしてしまった場合には、日焼けが落ち着いてからの照射となります。

・照射部位に日焼け止めや化粧品(クリーム・化粧水含む)が残っていると、レーザーが成分に反応して熱傷を起こす可能があります。照射前には必ず落としてください。

・サンオイルを使用している場合は、1~2週間前より使用を控えてください。

・時計・アクセサリー等の貴金属類は事前に外して頂きます。

治療後注意事項

・照射部位が腫れや赤みが残ることがありますが、一過性の症状であり1週間程度で軽快します。1週間以上経過しても軽快しない場合は早めにご連絡ください。

・照射直後は疼痛が強いので、アイスパック等でクーリングを行います。

・ガーゼ/ドレッシング剤保護+軟膏処置を行います。※治療当日は浸出液が出る事が多い為

・治療部位は掻いたりしないでください。皮膚を傷つけることで色素沈着になる可能性があります。

・当日は入浴をせず、シャワー浴のみとしてください。

・赤み・腫れ・痒みが強い場合は来院してください。

・治療期間中の日焼けは避けて下さい。日焼け予防対策を日常的に行ってください。

・照射後は医師の指示に従い、ホームケアを行って下さい。

治療経過について

【照射当日~1週間】

照射直後はヒリヒリとした感じがします。治療部位にワセリンやステロイド含有軟膏等を塗布し、その上からテープを貼ります。自然にテープが剝がれるまでテープを貼布した状態で洗顔や化粧を行って下さい。

※再診の目安は照射日から1週間前後となります。

【照射1週間後~3ヶ月後】

治療部位のかさぶたはレーザー照射後約1週間で取れ、テープと軟膏でのケアは必要なくなります。かさぶたが取れた後の部位には薄いピンク色の表皮が見られます。この状態になってからは色素沈着を起こしやすくなりますので、日焼け止め(SPF30以上)を使用し、日焼けを予防してください。

※月に1度、診察にお越しください。

【照射3ヶ月後以降】

レーザー照射日から数えて3ヶ月後に再診にお越しください。2回目以降の照射の必要の有無を判定します。

例:初回治療が4月1日の場合、次回の治療は7月2日以降となります。90日間が空いていても7月1日では保険は使えません。

合併症について

【色素沈着】擦れやすい・日焼けしやすい箇所は色素沈着のリスクが高くなります。

【色素脱失】色調が濃い場合は熱損傷や頻回の治療を行う事により発生します。

【瘢痕】元の体質や、出力・短期間の照射間隔にてリスクが増大します。

【その他合併症】痂皮形成、水泡形成、紫斑、紅斑、浮腫、掻痒感、炎症等 

多汗症(原発性腋窩多汗症、原発性手掌多汗症)

原発性腋窩多汗症

  • 脇汗で周囲の目が気になる
  • 脇の汗じみが気になりつり革につかまれない
  • 脇の汗じみが目立ち恥ずかしい

このようなお悩みはありませんか?

原因は不明ですが、日常で困るほど過剰に脇汗が出る病気です。

約20人に1人がかかる病気です。

診断基準
明らかな原因がない局所的な過剰発汗が6か月以上認められ、次の項目のうち2つ以上該当する場合を原発性腋窩多汗症と診断できます。

  • 25歳以下の時に、最初に脇の多汗症の症状があらわれた。
  • 1週間に1回以上の多汗による出来事がある。
  • 多汗は起きている間に出る/寝ている間は出ない。
  • 家族でも多汗症の方がいる。
  • 左右対称に発汗が認められる。
  • 日常生活に影響があるほどの脇の多汗がある。

治療の第一選択は外用療法です。ご相談ください。


原発性手掌多汗症

  • 手汗で周囲の目が気になる
  • 手汗が気になり、手をつなげない
  • 手汗でプリントがふやける

このようなお悩みはありませんか?

原因は不明ですが、日常で困るほど過剰に手汗が出る病気です。

約20人に1人がかかる病気です。

診断基準
明らかな原因がない局所的な過剰発汗が6か月以上認められ、次の項目のうち2つ以上該当する場合を原発性手掌多汗症と診断できます。

  • 25歳以下の時に、最初に手の多汗症の症状があらわれた。
  • 1週間に1回以上の多汗による出来事がある。
  • 多汗は起きている間に出る/寝ている間は出ない。
  • 家族でも多汗症の方がいる。
  • 左右対称に発汗が認められる。
  • 日常生活に影響があるほどの手の多汗がある。

治療の第一選択は外用療法です。ご相談ください。

メノポハンド(メノポーザルハンド)

メノポハンドとは女性ホルモンの変化がおよぼす更年期に起こる手指の症状(手指のこわばり・動かしにくさ、へバーデン結節、ブシャール結節など)の総称です。

メノポハンドの治療の第一選択は、エクオール(サプリメント)摂取です。多くの医師が使用している「今日の治療指針2024年版」のへバーデン結節にも記載されています。

エクオールは、大豆を発酵させて作られています。エクオールには、女性ホルモン(エストロゲン)に似た働きをする「エストロゲン様作用」、エストロゲンが過剰な時にその作用を抑える「抗エストロゲン作用」、男性ホルモン(アンドロゲン)の働きを抑える「抗アンドロゲン作用」、体をさびさせない「抗酸化作用」などがあります。

大豆イソフラボンを摂取し、腸内でエクオールを作れる日本人女性は2人に1人です。しかし作れる方でも、毎日の大豆摂取量やお腹の調子で作れる量が変化します。いつも体に必要な量を取り入れるには、エクオール摂取をオススメします。

PRS CLINIC院長(小野澤久輔)は、「四谷メディカルキューブ 手の外科・マイクロサージャリーセンター」に4年間在籍し、女性ホルモン低下による手指のお悩み(メノポハンド)を持つ多くの方の診察や手術を行いました。この度、当院でもメノポハンドに対して診察を開始いたします。(可能であれば両手指の正面・側面のレントゲン画像を持参してください)但し、レントゲン検査装置やレントゲン透視検査装置などが無いため、手術は出来ません。手外科専門医が所属する病院へ、ご相談ください。