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院長の小ネタ03「老化・加齢・劣化」

「老化」とは、

広辞苑によると

1.年をとるにつれて生理機能がおとろえること。

2.時間の経過とともに変化し、特有の性質を失うこと。ゴムが硬化・ ひび割れ・軟化・粘着などをおこす類。劣化。

と書かれています。

フリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」には、

生物学的には時間の経過とともに生物の個体に起こる変化。その中でも特に生物が死に至るまでの間に起こる機能低下やその過程を指す。

老化は、死を想起させたり、成熟との区別が恣意的であることから、加齢、エイジングと言い換えられる場合もある。

と書かれています。 

印象を受けていました。

しかし近年、

と主張している研究者もいるのです。

1996年にR Hollidayは、

「老化は病気ではないが、初期の病気の集合体であって様々な組織や器官の機能に多かれ少なかれ影響を与えるものである。即ち老化の人体に対する影響は病気の初期の状況を引き起こすものである。」

病気の背後に老化があると述べました。

2020年にDavid A. Sinclair(ハーバード大学医学大学院で遺伝学の教授を務め、長寿研究の第一人者)は、

「癌もアルツハイマー病も一般の加齢と関連付けられる他のいろいろな病気の状態も、それら自体が病気なのではなく、もっと大きい何ものかの個々の症状に過ぎない。その背後にある老化そのものが一個の疾患なのだ。そして老化は治せる病気である」

と述べています。

さらに先日、

老化が進行する年齢が発表されたのです。

2024年8月14日

アメリカのスタンフォード大学とシンガポールの南洋理工大学の研究チームは、

オンライン科学誌「ネイチャー・エイジング(Nature Aging)」に

「人間は急に老いる時期が2回ある」

と発表しました。

要約すると、

米カリフォルニア州在住の25~75歳の健康な男女108人を対象に、3~6カ月ごとに血液や便、皮膚、鼻咽頭(いんとう)の粘液採取の検査を行った。

加齢による分子(RNA、たんぱく質、マイクロバイオーム)の変化を最長7年間観察した。

老化は徐々に進行しているわけでなく、

44歳と60歳の2回にわたって、

急激に老化が進む時期がある

ことが分かった。

細かい内容では、

カフェインの代謝は、まず40歳前後で目に見えて低下し、続いて60歳前後で再び低下する。

アルコールの代謝は、特に40歳前後で減少する。

筋肉に関しては、40代では脂質代謝の関係で筋肉を傷める人や脂肪が蓄積する人が多く、60代になるとサルコペニア(筋肉量の減少)に見舞われる。

40代・60代の両方で組織をつなぎとめるたんぱく質が変化して、皮膚や筋肉、心血管系の変化が起きると思われる。そのため、60歳を過ぎると疾病リスクも高くなり、心血管系の疾患や腎臓病、2型糖尿病に罹患しやすくなる。

40代と60代の老化が進む時期に近付いたら、飲酒量を減らして運動量を増やすなどライフスタイルを変える必要があると述べていました。

日頃から食事や運動に気を配りながら、

人生を楽しむ事が大事ですね。

副院長のコラムにもありましたが、「運動の大切さ」と健康寿命は密接な関係があります。

日々の生活の中で

エレベーターやエスカレーターではなく、

出来るだけ階段を使ってみてはどうでしょうか。

体にも良く、地球にもやさしいですよね。


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