院長の小ネタ06「医療と広告」

医療広告とガイドラインの重要性について

現代において、

医療機関の広告は患者さんに

正確な情報を届けるための重要な手段です。

しかし、医療広告にはその特性上、法的な制約や倫理的な配慮が求められます。

PRS CLINICでも、これらのルールに基づきホームページやSNSを作成しています。

その際に学んだ

「保険診療および自由診療における医療広告と

そのガイドラインについて」

をお伝えしたいと思います。

個人的な解釈の違いがあるかもしれませんが、ご了承ください。

医療広告の基本原則

医療広告は、患者さんに誤解を

与えず、正確かつ適切な情報を

提供する必要があります。

これには、次の基本原則が

含まれます。

1. 正確性の確保

 医療行為の効果やリスクを誇張せず、実際の事実に基づいた情報を提供する。

 例えば、「シミが完全になくなる」ではなく、「治療によりシミが目立たなくなる可能性がある」と表現する。

2. 適正表示

 誇大表現や虚偽表示を避け、患者さんが冷静な判断を下せる内容であること。

例として、「100%安心」ではなく「適切なリスク管理を行っています」と記載する。

3. 法令遵守

 医療法や関連するガイドラインを遵守すること。

保険診療における広告規制

保険診療は、国が定めた医療保険制度に

基づいて提供される診療であるため、

広告においても厳格な規制が設けられ

ています。

1. 限定された広告内容

 診療科目や医師の資格、診療時間など、基本的な情報のみが広告可能です。

例えば、「内科」「外科」などの科目表示や、「○○大学医学部卒業」などの資格が該当します。

2. 効果や治療法の宣伝は禁止

  保険診療における治療効果を直接的に謳うことは禁止されています。

 例えば、「この治療法で糖尿病が治ります」という表現は違反となります。

3. 料金の表示

   保険診療の診療費用は全国一律のため、料金に関する記載は基本的に不要です。

自由診療における医療広告ガイドライン

自由診療は患者さん自身が選択する治療で

あるため、広告による情報提供の重要性が

高まります。

一方で、過剰な宣伝や不適切な表現が問題視されることもあるため、

次のようなガイドラインが定められています。

1. 明確かつ具体的な表現

 治療内容や手順、効果について具体的に記載すること。ただし、効果を保証する表現は禁止されています。

例: 「ヒアルロン酸注射により、しわが目立たなくなる可能性があります。」

2. リスクと副作用の開示

 患者さんが正しい判断を行えるよう、治療のリスクや副作用についても明示する。

例: 「注射部位に一時的な腫れや内出血が起こる可能性があります。」

3. 料金の透明性

 初回費用、追加料金、オプション費用など、治療にかかる総額をわかりやすく記載すること。

例: 「初回5万円、追加施術1回につき3万円」など具体的に記載する。

4. 症例写真の使用

 症例写真を使用する際は、治療前後の写真に関する詳細情報(使用した治療法、期間、注意事項など)を併記する必要があります。

例: 「この写真はレーザー治療後6ヶ月経過時のものです。効果には個人差があります。」

5. キャンペーンや割引の品位

キャンペーンや割引等について、

品位を損ねる、あるいは

そのおそれがある広告は控える。

治療の費用は過度に強調せずに

記載する。

6. 体験談広告の禁止

治療等の内容又は効果に関して、患者自身の体験や家族等からの伝聞に基づく主観的な体験談の広告は行ってはならない。

医療広告ガイドラインでは、こうした体験談について、医療機関への誘引を目的として紹介することは、個々の患者の状態等により感想が異なり得るものであり、誤認を与えるおそれがあることを踏まえ、医療に関する広告としては認められないとされている。

7. 禁止される表現

医療広告ガイドラインでは、最上級の表現や優秀性について著しく誤認を与える表現は禁止されています。たとえそれが客観的な事実であったとしても、患者さんに過度の期待を抱かせる可能性があるため、以下のような表現は控えなければなりません。

例:「日本最高レベルの治療法」

    「業界トップクラスの成功率」

医療広告適正化のための取り組み

医療広告を適正化するために、厚生労働省は以下のような取り組みを進めています。

1. 医療広告ガイドラインの策定

   医療機関が遵守すべき広告基準を明確化。

   例: 明確な料金表示やリスクの記載を義務付け。

2. 広告審査体制の強化

   不適切な広告が流通しないよう、審査基準を厳格化。

   例えば、事前審査制度を導入してチェックを強化。

3. 患者教育

   患者さん自身が広告の正確性を見極められるよう、教育や情報提供を推進。

   例: 「信頼できる医療機関の選び方」を紹介するセミナーやガイドライン。

まとめ

医療広告は、患者さんに必要な情報を届ける重要な役割を果たしますが、

過剰な宣伝や誤解を招く表現は避けなければなりません。

医療機関はガイドラインを遵守し、患者さんにとって有益で正確な情報提供を

心がける必要があります。

一方、患者さんも広告の内容を冷静に判断し、

信頼できる医療機関を選択することが大切です。

これらの取り組みにより、医療広告が患者さんと医療機関の間の信頼を築く

重要な架け橋となることを期待します。

PRS CLINICは医療広告ガイドライン(厚⽣労働省)に基づいて、

HPや広告を作成しております。

PRS CLINICへお気軽にご相談ください。

お電話(054-271-3333)での診察予約も行なっております。


投稿日

カテゴリー:

投稿者:

タグ: